2025/02/20
ドレス
海水で濡れたドレスのお手入れはウェットクリーニングが効果的

海辺でのロケーション撮影や結婚式などで着用したドレスには、海水や砂などの海特有の汚れが付着します。
この記事では、ドレスに付着した海水などの汚れがドレスに及ぼす影響や、海水汚れに効果的なクリーニングの種類など、海辺でドレスを着用する方に向けた様々な情報を紹介していきます。
海水がドレスに及ぼす影響

海水には多量の塩分が含まれているため、ドレスに付着すると様々な影響を及ぼします。
中でも、ドレスの品質に関わる影響を2種類紹介していきます。
金属製の装飾が錆びる
海水や海風には、金属を早く錆びさせる効果があります。
そのため、海水がドレスに付いたまま時間が経つと、宝石を止めている金属や金属製のスパンコール、金糸などの、ドレスの装飾が錆びやすくなります。
生地が劣化する
ドレスに海水が付着したままの状態にしてしまうと、海水が生地を傷ませたり、カビが発生したり、生地の劣化に繋がることがあります。
また、砂や泥、海の浮遊物などにより、シミができてしまうこともあります。
海辺で着用したドレスのお手入れ方法
海辺でのロケーション撮影や結婚式で着用したドレスの、正しいお手入れ方法について紹介していきます。
正しいお手入れをすることでドレスを綺麗に残すことができ、後撮りでの使用や友人や姉妹への譲渡、リメイクや将来を見据えての保管など、使用後の選択肢を広げることができます。
当日中にクリーニング

海辺で着用したドレスには、海風による塩や海水、砂や泥などの様々な汚れが付着しているため、そのままの状態で放置してしまうと、黄ばみや生地の劣化、装飾の錆びなどのトラブルの原因になります。
また、着用中にドレスに付着した湿気により、カビや雑菌の繁殖なども起こりやすいため、なるべく早めにドレスから汚れを取り除くことが大切です。
そのため、海辺で着用したドレスは、可能であれば当日中にクリーニングに出すのがおすすめです。
早めにクリーニングに出すためにも、着用前から依頼するクリーニング店を決めておくと安心ですね。
当日にクリーニングに出すのが難しい場合は日陰で吊るす
クリーニングに出すのが、着用の翌日以降になってしまう場合は、ドレスを直射日光や蛍光灯の光が当たらない日陰に吊るして保管しておくのがおすすめです。
吊るす際は、泥や汚れが落ちても良い場所に吊るすか、ビニールなどを敷いて汚れ対策をしておくのがおすすめです。
泥やシミは自分で無理に落とそうとしない
大切なドレスに泥やシミが付着したら、はやく落とそうと自分で処理をしてしまう方もいますが、元のように綺麗な状態に戻すには、自分では触れないようにするのがおすすめです。
無理に落とそうとしてしまうと、汚れが広がったり、繊維の奥まで汚れがしみ込んでしまったりするため、かえって汚れが落ちにくくなることがあります。
なるべく綺麗な状態に戻すためにも、泥やシミがドレスに付着した場合は、触らずにそのままの状態でクリーニングに出してくださいね。
海水にはウェットクリーニングが効果的
クリーニングには、ドライクリーニングやウェットクリーニングなどの種類があり、それぞれ洗う際に使用するものや、落とすことができる汚れに違いがあります。
中でも、海水による汚れを落とすには、“ウェットクリーニング”が効果的だと言われています。
ウェットクリーニングとは

海水による汚れを落とすのに効果的なウェットクリーニングとは、水や洗濯洗剤を使用して洗うクリーニングのことです。
ウェットクリーニングでは家庭での洗濯と同様に、水や洗濯洗剤を使用して衣類を洗いますが、家庭での洗濯とは違う様々な技術や知識、特殊な機械などを使用して洗うため、家庭では洗えない衣類が洗え、家庭での洗濯よりも綺麗な仕上がりにすることができます。
また、ウェットクリーニングは水を使用して洗うため、汗や飲み物などの水に溶ける「水溶性の汚れ」を落とすのに効果的です。
ドレスのウェットクリーニングとドライクリーニングの違いについては、下記の記事で紹介していますので詳しく知りたい方はぜひご覧くださいね。

海水は“水溶性の汚れ”
海水による汚れは、水に溶ける「水溶性の汚れ」であるため、ウェットクリーニングが効果的です。
また、海辺のロケーションが選ばれることの多い「夏」。
夏場は、対策をしていてもドレスに多量の汗が付着してしまいます。
しかし、この汗による汚れも「水溶性の汚れ」であるため、ウェットクリーニングで落とすことができます。
クリーニング店選びの注意点

海辺で着用したドレスをクリーニングに出す際は、お店選びも大切です。
より満足のいく仕上がりにするためにも、以下の点に注意してお店を選んでみてくださいね。
ドレスのクリーニング実績を確認
ドレスは、一般的な衣類にはない様々な特徴があるため、クリーニングの難易度が高い衣装だと言われています。
そのため、ドレスのクリーニング実績が多く、専門的な知識や技術力を持つお店にクリーニングを依頼するのがおすすめです。
ウェットクリーニングに対応しているか確認
ウェットクリーニングは水を使用して洗うため、生地によっては縮みや型崩れなどのリスクが伴います。
そのため、ウェットクリーニングをするには専門的な知識や技術力が必要であり、対応していないクリーニング店も多いです。
海水による汚れをしっかりと落とすためにも、ウェットクリーニングに対応しているクリーニング店を探しておくと安心ですね。
料金や納期も確認する
ドレスのクリーニングは、一般的な衣類のクリーニング料金よりも料金が高い傾向があります。
それに加え、染み抜きや撥水などのオプションを利用すると料金が想定していたよりも高くなってしまうことがあるため、事前に料金を確認しておくことが大切です。
また、クリーニングにかかる日数も、場合によっては数か月間掛かることがあるため、クリーニング後に着用する予定がある場合は、事前に納期について確認しておき、早めにクリーニングに出すと安心ですね。
ドレスのウェットクリーニングの一例
ドレスのウェットクリーニングでは、どの程度汚れを綺麗に落とすことができるのでしょうか。実際にひどい裾汚れが付いたドレスのウェットクリーニングの一例を紹介します。
※クリーニングの様子は、法人向けドレスクリーニングのディアハートの実例です。

着用後のドレスは、屋内、屋外での着用に関わらず、裾に汚れが付着します。
この事例の場合は、付着している汚れの種類やドレスの生地の特徴を考慮した上で、ウェットクリーニングでメンテナンスしていくことになりました。
ドレスのウェットクリーニングは、水と洗剤を使用して、手作業で洗っていきます。
専用の道具や、超音波を発生させる機械を用いることで、ドレスへのダメージを最小限に抑えつつ汚れを落としていきます。

裾に付着していた目立つ汚れは全て綺麗に無くなり、真っ白に仕上がりました。
その後はすすぎ洗いや脱水、乾燥、仕上げのアイロン掛けなどを行い、クリーニングが完了します。
クリーニング後のひと手間が大切

クリーニングから返ってきたドレスは、“カバーの付け替え”と“仕上がりの確認”をすることで、より綺麗な状態で保管することができます。
クリーニング後に付いているビニールカバーは、湿気が溜まりやすいため、すぐに取り外すことが大切です。
ビニールカバーを取り外した後は、仕上がりを隅々までしっかりと確認し、クリーニングの不備があった場合は、すぐにクリーニング店に連絡するのがおすすめです。
仕上がりを確認し、問題が無かった場合は、不織布などの風通しの良いカバーを掛けて、湿気と直射日光を避けて保管してくださいね。
まとめ
海辺で着用したドレスは、
・当日中にクリーニングに出す
・ウェットクリーニングで汚れを落とす
の2点のポイントをふまえることで、より綺麗な仕上がりになります。
海水などの汚れを気にせず、海という素敵なロケーションでの幸せな時間をめいっぱい楽しんでくださいね。

年間約600万点をクリーニング・メンテナンスする、ドレス・きもの・衣装クリーニングのディアハートでは、法人のお客様の“欲しい”が詰まった様々なサービスをご提供しています。
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