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2024/03/14
きもの
着物の種類や格の高さとは|種類ごとに特徴やおすすめの着用場面を紹介

黒留袖、白無垢を着た女性と羽二重黒紋付を着た男性と洋装の男性が並んで座る様子

着物には細やかな種類分けがあるのをご存知でしょうか。
着物は代表的なものだけでも十三種類あり、それぞれの種類は着物の格により着用して行ける場所や、着用できる人の立場が異なります。
この記事では、着物の種類についての紹介だけでなく、それぞれの着物がどのような場面にふさわしいかについてもわかりやすく解説していきますので、着物に初めて挑戦する方やおさらいをしたい方、久しぶりに着物を着る方などはぜひ最後までご覧ください。

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着物の格の高さは大きく分けて四段階

格の高い着物と格が低い着物のイラスト

結婚式に参列する際、Tシャツやデニムではなく、パーティードレスやスーツを着用するのは、Tシャツやデニムよりも、パーティードレスやスーツの方が装いとしての「格」が高く、結婚式というフォーマルな場にふさわしいためです。
この装いの「格」という考え方は洋装だけでなく着物にも当てはまり、種類によって細かく決められているため、場面や立場によってふさわしい着物の種類が異なります。
着物の「格」の高さは大まかに、「礼装(れいそう)」「準礼装(じゅんれいそう)」「外出着(がいしゅつぎ)」「普段着(ふだんぎ)」の四段階に分かれます。
それぞれの装いがどの様な場面にふさわしいか、詳しく紹介していきます。

第一礼装(だいいちれいそう)

第一礼装は正礼装とも呼ばれる、最も格式が高い装いです。
結婚式では主催者側である新郎新婦やその両親が着用し、お葬式や成人式などでも着用されます。

また礼装の中でも、結婚式の花嫁衣装など着用する場面や立場などによってふさわしい着物が異なりますので、細やかな注意が必要な装いでもあります。

準礼装(じゅんれいそう)

準礼装は略式礼装とも呼ばれ、礼装の次に格式の高い装いです。
結婚式にお呼ばれした際や、入学式などのフォーマルな場で着用することができます。

華やかな着物が多く使用用途も幅広いため、一枚持っておくと便利です。

外出着(がいしゅつぎ)

外出着は、礼装や準礼装ほどフォーマルではないお出かけ用の装いです。
礼装や準礼装ほどではないですが、種類によっては少しかしこまった場でも着用できるため、趣味で着用するだけでなく観劇やコンサートなどにも着用していくことができます。

普段着(ふだんぎ)

普段着は、日常生活で着用する装いです。
日常的に着用することが想定されているため、お手入れや保管がしやすいものが多いです。

代表的な十三種類の着物を紹介

代表的な女性の着物の種類は、「打掛(うちかけ)」「黒留袖(くろとめそで)」「色留袖(いろとめそで)」「振袖(ふりそで)」「黒紋付(くろもんつき)」「訪問着(ほうもんぎ)」「付け下げ(つけさげ)」「色無地(いろむじ)」「江戸小紋(えどこもん)」「小紋(こもん)」「御召(おめし)」「紬(つむぎ)」「浴衣(ゆかた)」の十三種類があります。
十三種類ぞれぞれの特徴や着用できる場面などを紹介していきます。

打掛(うちかけ)

白無垢姿の花嫁

打掛を着用した装いは第一礼装であり、真っ白の白無垢や華やかな色や柄の色打掛などの種類があります。
白無垢を着用する際には、中に着る掛下という着物から小物まですべて白で統一され、結婚式で新婦のみが着用できる最高格の装いとなります。

色打掛は結婚式だけでなく披露宴でも着用することができますが、こちらも新婦のみが着用できる着物です。

黒留袖(くろとめそで)

黒留袖

黒留袖は既婚女性の第一礼装にあたり、生地の色が黒く、上半身は無地で下半身にのみ縫い目にまたがるひと続きの模様が入っているのが特徴の着物です。この模様は絵羽模様(えばもよう)と呼ばれ、黒留袖には縁起の良い華やかな模様が入っていることが多いです。

また、両胸や両袖、背中の中心に合計五つの家紋が入った黒留袖は「五つ紋」といい、黒留袖の中でも最も格が高くなります。

着用場面は主に結婚式や披露宴で、新郎新婦の母親が着用します。その他にも、新郎新婦の祖母や既婚の姉妹、既婚の伯母、叔母、仲人夫人が着用する場合もありますが、新郎新婦の母親よりも格の高い装いとならないよう家紋の数や柄に注意して着物を選ぶ必要があります。

結婚式に黒留袖で出席する場合は下記の記事を参考にしてくださいね。

留袖選びのマナー
結婚式で着用する留袖の選び方

色留袖(いろとめそで)

色留袖

色留袖は、既婚未婚を問わずに着用できる格の高い着物です。黒留袖と同じように、上半身は無地で下半身に縫い目にまたがる絵羽模様が入っていますが、生地の色が黒以外のものを指します。

色留袖は入れる家紋の数によって第一礼装と準礼装に分かれ、両胸や両袖、背中の中心に合計五つの家紋が入った「五つ紋」は第一礼装、両袖と背中の中心に合計三つの家紋が入った「三つ紋」と背中の中心にのみ家紋が入った「一つ紋」が準礼装とされています。

主に結婚式や披露宴などに、新郎新婦の親族や主賓などの立場で参列する際に着用しますが、その際は「三つ紋」や「一つ紋」の準礼装にあたる色留袖を着用する場合が多いです。

振袖(ふりそで)

桃色の振袖

振袖は未婚女性の第一礼装であり、長い袖が特徴の着物です。
袖の長さによっても三つの種類に分かれ、袖の長さが長いほど格式が高いとされています。
袖丈が百十四センチ前後のものは「大振袖」と言い、振袖の中で最も格式が高く、結婚式で花嫁衣装として着用されることが多いです。

袖丈が百センチ前後のものは「中振袖」と言い、成人式で着られる振袖はこの中振袖にあたります。また、結婚式へお呼ばれした際もこの中振袖を着用するのがおすすめです。

袖丈が八十五センチ前後のものは「小振袖」と言い、袴と合わせて着用されることが多いです。

結婚式に振袖で出席する場合は下記の記事を参考にしてくださいね。

結婚式のお呼ばれ振袖マナー
着物を着用する際の注意点

黒紋付(くろもんつき)

黒紋付と数珠

黒紋付は喪の席での第一礼装で、お葬式では遺族が着用するのが一般的です。
生地は柄の無い黒一色で、両胸と両袖、背中の中央に合計五つの家紋が入っています。
喪服として着用する場合は、帯も黒一色に染められた黒喪帯(くろもおび)を合わせます。

現代では喪服の印象が強い黒紋付ですが、かつては祝い帯を締めて結婚式などのお祝いの席に着て行くこともありました。また、現代でも袴と合わせて卒業式の式服としている学校もあります。

訪問着(ほうもんぎ)

浅葱色の訪問着

訪問着は準礼装にあたる着物で、縫い目にまたがる絵羽模様が下半身だけでなく肩から裾に掛けて全体的に入っています。既婚、未婚問わずに着用することができるため、幅広い場面で活躍します。

とても華やかな着物が多いため、結婚式に友人や同僚、従姉妹などの立場でお呼ばれした際には特におすすめです。
また、お子様の入学式や卒業式、お宮参りや七五三などでも着用することができます。

結婚式に訪問着で出席する場合は下記の記事を参考にしてくださいね。

結婚式に訪問着で参列する際のマナー
色・柄・帯の選び方

付け下げ(つけさげ)

付け下げは訪問着の次に格が高く、訪問着の絵羽模様を簡略化させた着物です。
訪問着の絵羽模様と違い縫い目をまたがず、左肩にワンポイントの柄が入っています。

付け下げは締める帯によって着用できる場面が変わり、袋帯という表地と裏地に異なる2枚の生地を袋状に縫い合わせて仕立てている帯を締めると、お子様の入学式や卒業式、お宮参りや七五三に適した装いになります。

また、袋帯の二重太鼓を簡略化し、一重のお太鼓が結べるように短くした名古屋帯を締めるとお食事会や観劇に適した装いになります。

色無地(いろむじ)

色無地は、黒以外の一色で染めた柄の無い無地の着物です。家紋を入れると準礼装として着用することができます。また、生地の織り方で浮かび上がる地紋(じもん)という柄が入っている場合は、お子様の入学式や卒業式、お宮参りや七五三などのフォーマルな場に着用して行くことができます。

また、地紋の無い暗い色の色無地であれば、黒喪帯を合わせて色喪服としてお葬式で着用することもできます。

江戸小紋(えどこもん)

江戸小紋は、遠目にみると無地に見えるほどの小さい模様がついた着物です。
小紋の中では最も格式が高く、家紋を付け、礼装用の帯と合わせて着用することで準礼装としても使用できます。

着こなしで準礼装としても外出着としても使用することができるため、お食事会やお茶会などのお出かけで着用するのがおすすめです。

小紋(こもん)

薄橙色の小紋

小紋は、全体に繰り返し模様を型染めし、生地の全体に柄が入っている着物です。
観劇や友人との食事など、外出着として使用されます。

柄が多種多様な小紋は、古典柄であればカジュアルなパーティやお茶会でも着用することができます。

御召(おめし)

御召は、先に糸に色を付けてから生地として織り上げる「先染め(さきぞめ)」の着物です。染めた糸の織り方によって無地に近いものや縞模様のものなどがあります。

格としては、小紋と紬の中間とされており、観劇や友人との食事などの外出着として使用されます。

紬(つむぎ)

紬とは、真綿から切れないように糸を引き出して作った紬糸(つむぎいと)を使用した先染めの着物です。
非常に丈夫なため、古くから庶民の普段着として使用されてきました。

現代では、結城紬(ゆうきつむぎ)や久米島紬(くめじまつむぎ)など、国の重要無形文化財に指定されている種類が多く、作り手の減少もあって希少価値が上がってきているとも言われています。
しかし、着物としての価値が上がっていても、格は普段着と位置付けられているため、結婚式などのフォーマルな場には向きません。

浴衣(ゆかた)

紺色の浴衣

浴衣は、夏祭りや花火大会での定番の装いですが、着物の中で最も格の低い着物とされています。かつてはお風呂上りや寝巻きとして着られていたほど、通気性が良く速乾性に優れています。

着用する際は他の着物と違い、素肌や着物を着る際の肌着である肌襦袢(はだじゅばん)の上に直接着用します。足元も、着物の場合は足袋(たび)に草履を合わせるのに対し、浴衣の場合は素足に下駄を履きます。
そのため、洋装で例えるとTシャツやハーフパンツ、サンダルなどのカジュアルな装いとなります。

 

季節によって変わる着物の種類

10月から翌年5月までが袷
6月と9月が単衣
7月と8月が

着物は季節や気温に合わせて、一般的に「袷(あわせ)」「単衣(ひとえ)」「薄物(うすもの)」の三種類に分かれます。
それぞれどのような着物でどの季節に向いているのか紹介していきます。

袷(あわせ)

袷は、胴裏(どううら)や八掛(はっかけ)などの裏地が付いた着物です。裏地が付いていることにより、作りが丈夫で重厚感のある気姿になります。
生地が二枚縫い合わされているため、三種類のなかで最も暖かく、寒い時期に適しています。

【おすすめの季節】10月上旬の秋のはじまりから、5月下旬の初夏まで

単衣(ひとえ)

単衣は、裏地が付いていない一枚物の着物です。裏地が無くても透け感が出ない程度の生地を使用しており、袷に比べて着心地が軽いのが特徴です。
真夏以外の暖かい時期に適していますが、ウール生地を使用したものなど素材によっては寒い時期でも着用することができます。

【おすすめの季節】6月や9月などの季節の変わり目の暖かい時期

薄物(うすもの)

薄物は、裏地が付いておらず、なおかつ特に薄い生地でできた着物です。
仕立てる際に縦の糸と横の糸の密度を低くした、透け感のある薄く涼しい生地が使われており、真夏の暑い時期でも快適に過ごせます。
また、帯や帯揚げ、帯締め、長襦袢なども夏物の涼しい素材のものを使用することでより快適に過ごすことができます。

【おすすめの季節】7月上旬から8月下旬の真夏日

 

着用する場面別おすすめの着物の種類一覧

結婚式打掛(新婦)、黒留袖(新郎新婦の母)、色留袖、振袖、訪問着
お葬式黒紋付(遺族)、色無地
七五三・お宮参り訪問着、付け下げ、色無地、江戸小紋、小紋
入学式・卒業式訪問着、付け下げ、色無地
観劇・食事会付け下げ、色無地、江戸小紋、小紋、御召
日常生活紬、浴衣

その場にふさわしい着物の種類は、地域などによって独自のルールやマナーがある場合もあります。そのため、下記の一覧はあくまで参考にしてくださいね。
着物選びに不安がある方は、身近な友人やご親族に相談してみるのがおすすめです。

まとめ

着物を着用する際は、場面や立場に合わせて種類を選んでみてくださいね。
また、着物を着用した後はお手入れをすることが大切です。着用している間に付着した汗などの汚れは時間と共にカビや黄ばみを発生させることもあります。
お気に入りの一枚を綺麗な状態でより長く着用するためにも、着用後はクリーニングでしっかりと汚れを落としてくださいね。

着物のお手入れについては、こちらの記事を参考にしてください。

着物を長持ちさせるお手入れ方法

着物クリーニングのディアハート

着物クリーニングのディアハートでは、年間七万枚以上の着物をクリーニング、メンテナンスしており、着物一枚ごとに合わせたクリーニングで高品質な仕上がりをご提供しています。大切な一枚のお手入れをぜひディアハートにお任せください。
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【会社情報】
ドレス・きもの・衣装クリーニング
株式会社ディアハート
兵庫県伊丹市森本3丁目206番の1