2024/05/31
きもの
着物を綺麗に保つ「虫干し」とは?方法や注意点をわかりやすく解説
2023.11.22
2024.05.31
着物を綺麗に保つための「虫干し」というお手入れ方法を知っていますか?
虫干しは、平安時代にはすでに取り入れられていた伝統的な着物のお手入れ方法の一つであり、着物を長く美しく保つために現代でも家庭で行われています。
この記事では、虫干しの効果や方法、時期や頻度などをわかりやすく解説していきますので、ぜひ記事を参考にして挑戦してみてくださいね。
虫干しとは?
「虫干し」とは、収納している家財を風通りの良い場所で干すお手入れ行事のことです。
着物だけでなく、本や食器のお手入れにも使われる言葉で、梅雨明けの土用干し、秋の虫干し、真冬の寒干しを総称して虫干しと呼ばれています。
中でも着物に行う虫干しは、着物を箪笥(たんす)や収納ケースから取り出し、ハンガーや衣桁に広げた状態で掛けて乾燥させるお手入れのことを言います。
虫干しによる三つの効果
そもそもなぜ、虫干しを行う必要があるのでしょうか。
虫干しには、大きく分けて三つの効果があり、着物を傷める要因を取り除くために行います。どのような効果があり、どのような要因を取り除くことができるのかを解説していきます。
効果 一.着物への虫食い被害を防ぐ
名前の通り、虫干しには“虫”による被害を防ぐ効果があります。
着物は、虫食いが発生しやすい絹やウールなどの素材を使用している場合が多いため、対策を行い予防する必要があります。
また、保管する際は防虫剤などを使用して、なるべく虫が発生しないようにしておくことも大切です。
【注意】防虫剤を使用する際に、複数の種類を混ぜて入れてしまうと、着物が傷みやすくなるため、必ず一種類で統一してください。
効果 二.カビの原因になる湿気を取り除く
虫干しは、“干す”ことでカビの原因になる湿気を取り除く効果もあります。
長期間タンスにしまったままにしておくだけでも湿気が溜まり続け、カビが発生しやすくなるため、定期的に湿気を逃がす必要があります。
虫干し以外にも、空気が乾燥した日に箪笥の引き出しや衣装ケースの蓋を開いておくと湿気を逃がすことができます。
効果 三.トラブルの早期発見に繋がる
虫干しは畳んで収納していた着物を開いて干すため、カビや虫食い、シミや変色などのトラブルを見つけやすいです。
トラブルが発生していた場合は、早めの対処が大切なため、すぐにクリーニング店に相談してくださいね。
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虫干しの方法
虫干しの方法を紹介します。
方法はとても簡単なため、着物をお持ちの方はぜひ参考にしてくださいね。
必要なもの
虫干しに必要なものはとてもシンプルです。
「衣桁」という、日本に古くからある着物や浴衣などをかけておくことができる道具と着物を包む「文庫紙」や「たとう紙」と呼ばれる着物専用の包み紙があれば、虫干しを行うことができます。
衣桁が無い場合は、着物が床に付かない高さのハンガーラックと着物ハンガーでも代用することができます。
虫干しの手順
着物を衣桁または、着物用ハンガーに掛け床や地面に付かない高さに干します。
着物に付いているほこりなどを優しく払い落とします。
この時、カビや黄ばみなどが発生していないかの確認もしてくださいね。
三~四時間程度干して、着物の生地の中までしっかりと乾燥させます。
乾燥したあとは、着物を正しく畳んだ状態で、新しい文庫紙に包んで収納します。
※着物のたたみ方については、こちらの記事にて紹介しているのでぜひ参考にしてくださいね。
また、虫干しをしている間に、タンスの中や衣装ケースの中を掃除し、中敷きも変えておくと効果をさらに高めることができます。
虫干しを行う最適な時期・タイミング・場所
虫干しは行うのに最適な時期や時間帯、頻度があります。
また、行う日の選び方も一緒に解説していきます。
「時期」は梅雨明け・秋・真冬の年三回
着物の虫干しに最適な時期は、梅雨の時期に付いた湿気を乾かす梅雨明け、夏に付いた虫を追い払う秋、虫干しに最適な真冬の年に三回あります。
具体的には、七月下旬~八月上旬頃と、九月下旬~十月上旬頃、一月下旬~二月上旬頃の三回です。
それぞれの時期に一回ずつ虫干しを行うのが理想ですが、難しい場合は、年に一度は必ず虫干しを行い、二カ月に一度は箪笥の引き出しや収納ケースの蓋を開け、湿気を逃がすように心がけると良いですね。
「タイミング」は乾燥した日のお昼が最適
虫干しは行う時期だけでなく、最適な日、最適な時間があります。
一週間ほど晴れが続き、空気が乾燥している日の正午前後が最も適しており、しっかりと着物を乾燥させることができます。
なかなか良い条件の日が無い場合は、晴れた日に窓を開け、風を通しつつ扇風機などで風を循環させて、着物を乾燥させやすい環境にして行いましょう。
「場所」は紫外線が当たらない風通りの良い場所
着物を乾燥させることが虫干しを行う際の最も大きな目標ですが、日光を利用して乾かすことはおすすめできません。
その理由は、日光や蛍光灯の光には紫外線が含まれているからです。
紫外線が着物に当たると、色焼けや黄ばみ、汚れの変色などが発生する場合があります。
そのため虫干しは、窓を開けていても直射日光が当たらない照明を消した室内や、屋根があり直射日光を防ぐことができる屋外で行ってくださいね。
また、干しを行う場所の条件として最も大切なのが、風通りの良さです。
屋内の場合は対角線上に窓などの風の通り道がある場所が良く、屋外の場合は風が着物を通り抜けるような角度で干すと良いですね。
まとめ
着物を虫食いやカビなどのトラブルから守り、より長い間綺麗に保つためにも、きちんと虫干しを行い、定期的にメンテナンスを行うのがおすすめです。
虫干しのポイントは、
・一年に三回程度、定期的に行う
・着物は衣桁やハンガーラック、着物ハンガーを利用して地面に付かない高さに干す
・一週間ほど晴れの日が続いた乾燥している日に行うと効果的
・日光や蛍光灯の光を避けた、風通りの良い場所で行う
・虫干しの際にカビや変色などのトラブルがあった際はすぐにクリーニングに出す
・虫干し後は新しい文庫紙で包んでから収納する
です。
定期的な虫干しで、着物をより長い間、より美しい状態で保ちましょう。
着物クリーニングのディアハート
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【会社情報】
ドレス・きもの・衣装クリーニング
株式会社ディアハート
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